「朝ご飯は何を食べましたか?」
子ども達に聞くと、「おにぎり」「パン」「ヨーグルト」「いちご」「シリアル」など、単品の答えが返ってきます。「その他には?」「何おにぎり?」「飲み物は?」と更に質問をしますが、4歳~6歳の幼児のことなので、何を食べたかすっかり忘れてしまっている場合もあります。そして時々、「何も食べていない」という衝撃的な答えがあり、ご父兄に聞いても「時間が無かったので」との返答・・・(正直でよろしいのですが)だめです!
脳のエネルギー源はすべてブドウ糖で、1時間に5gずつ消費されます。私たちの脳は、12時間でエネルギーを使い果たすようになっているそうなので、3食のうち1回でも食事を減らすと、おなかが空いて頭がぼーっとなります。もちろん、睡眠中も脳は活動していますので、前の晩に食事をしてから、朝ご飯を抜いて学習をさせても、意味がありません。
また、「何も食べてない」と「おにぎりだけ食べた」の両者では、脳の働きにあまり違いがないことが研究によりわかっています。脳細胞を効率的に働かせるには、様々な栄養素が必要です。ブドウ糖を上手に使うには、豆類(リジンという必須アミノ酸が多く含まれる)とビタミンB群(糖質をエネルギーに変える)が必要です。「ごはん」や「パン」だけでなく、しっかりとおかずを一緒に食べさせることが大切です。
しかしながら、忙しい朝に、献立を考えていろいろ作るのはハードルが高そうです。でも、缶詰やパックを開けるだけで食べられる食材でもOKなのです。基本は3つの栄養素を意識すること!「糖質」(ご飯・パンなど)「脂肪」(青魚や良質な油が良いとされています。ナッツや魚肉ソーセージなども良いですね)「たんぱく質」(豆・卵・乳製品など)そのように考えたら、何とかなりそうですね。
また、よく噛んで食べることも脳を活性化させる要素になります。噛むことで脳の運動野が活性化し、やる気や意志の働きと関連している前頭連合野の働きも良くなります。
冒頭の質問「朝ご飯は、何を食べましたか?」は、実際の面接で頻繁に聞かれます。お子さんに質問されますので、試験当日だけ、しっかり朝食をとってもダメです。また時々、抜くことがあるのも×です。なぜなら、子どもは例外的なことがあると強く印象に残ってしまい「いつもは食べるけど、食べない時もある!」などと答えてしまい、隣で親がギョッとするなんてことは、よくある話なのです。日々の努力が大切ですね。
そして、家族や仲間と一緒に食事をすることも重要です。子どもは、大人や周りの人を、常に観察しています。観て学び、真似をします。食べるという行為も同じで、他の人が食べるのをみて自分も食べる、他の人のマナーをみて自分もその行為を真似します。相手を真似て同じ言動をとることは、相手のその時の「こころ」を体験していることになり、「共感」と関わっています。脳の発達において、とても大切な訓練になるそうですよ。
食事の仕方の授業で、悪い見本をすると「うちのお父さん、いつもそうやってるよ」とか「うちのお母さんも〇〇している」という発言が飛び交います。ご家庭でついやってしまっている癖→ばっちり、お子さんに見られています。お子様と一緒にマナーや食事のとり方を確認し、子どもの手本になれるように気を付けましょう。