「折り紙をしよう」

 梅雨の時期になると、思いついたように、やりたくなるのが折り紙です。外遊びができず、室内あそびを考えた時、巧緻性の遊びはすぐに浮かびますね。題材も、紫陽花の折り方はいろいろありますし、カエルに至ってはぴょんぴょん跳ねる作品を作り、ゲームができたりもするので、楽しさ倍増です。

今日は「折り紙をしよう」という題で、お話させて頂きます。

 日本人なら、「折り紙をやったことがない」という人はいないと思います。外国人に比べて、手先が器用なのは、折り紙やあやとりなどの遊びがあるからに違いありません。実は、折り紙は子どもの遊びに留まらず、芸術として日本の文化になっていることも、皆さんご存じと思います。そして、この手先を使った緻密な作業、次の形を想像して作ること、折り方を覚えるということは、脳を活性化し、子どものみならず、高齢者の認知症予防のアイテムとしても使われています。

今回は、様々な効果が期待できる折り紙のメリットの中から、幼児に良いと(私が)思われる物をピックアップしてお話します。

 まず、角と角を合わせる、角と辺を重ねることは、物体の距離感や奥行きを捉える力が鍛えられます。初めて折り紙をする子どもに三角を折る見本をみせて、「やってみましょう」と促すと、半分にするだけで、どこを合わせようとする気もありません。でも、教える時に「お山のてっぺんにくっつくかな?」と言いながら、わざとずらしたり、行き過ぎたりする見本をみせ、「やっと成功した!」という様子を示すと、角と角がぴったり合うまで、自分で位置を調節するようになります。ここで、距離感や奥行きを鍛えていると考えられます。慣れてくると自ら、裏返してズレがないかを確かめるようになります。

 次に、紙を折って何かを作りだすことが、想像力や主体性の向上に繋がります。2歳児の場合、始めは三角くらいしか折れませんが、夢中になってたくさん三角を折ったりします。「何を作ったの?」と聞くと「お山」と答えます。「これは?」「茶色いお山」(因みにさっきのは、緑です)、その後、赤いお山や青いお山が出来て、机の上は大量のお山だらけです(笑)。その子には、本当にお山に見えているはずで、それが、大人が失くしてしまった羨ましいほどの想像力ですよね。自由に折り紙を折って、「このように折ったら、こうなる」「こうしてみたら、こんな風になった」という発見ができるのも、折り紙の良さだと思います。型にはめずに、自由な創作折り紙をするのもお勧めです。

 更に、やって欲しいのは、きちんとした作品を折ることです。子ども向けの折り紙の本が、たくさん出ていますので、購入して正しい折り方を覚えてみましょう。折り紙が好きなお子様は、1人で折りたいという欲求が強いです。その気持ちを汲み取って、正しい折り方を是非教えて差し上げて下さい。1人でできるようになると自信になりますし、自ら覚ようとする気持ちは、記憶力を鍛えることになります。その後、何度も折り、練習し、自分が納得できる形にできた時に、達成感を感じることができます。

折り紙だけで、様々な体験を勝手にやってくれるって凄いと思いませんか?

 幼稚園や保育園では、お友達に折り方を教えたり、小さいお友達に「作って」とせがまれて、嬉しそうに、ちょっと照れくさそうにしている年長さんの姿があります。そんな経験をしたら、脳内ではドーパミンがどばどばと溢れ出し、成功体験でウハウハです。賢い子になること間違いなしです。

 大人にとっても、ストレス解消に使えるそうですよ!折り紙の本を読み解くのは、なかなか難しいので、お子様そっちのけで、夢中になれるからかも知れません。是非、レパートリーを増やして、お子様に「お母様、すごーい!」と褒められてください。きっと、お母様の脳内もドーパミンがどばどばと溢れ出すはずです。

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