お母様方からのご相談で、「うちの子、声が小さいのです」というお悩み、とても多いです。割と、1年を通して聞くのですよね。「たくさん練習をして自信をつけたはずなのに、本番で前に出たら、蚊の鳴くような声でした」
という報告も耳にします。
原因は、ありきたりですが、
「人前に出るのが恥ずかしい」
「注目されて極度に緊張する」
「とにかく観られるのが嫌」ですね。
これについては、私自身が小さい時、そういうタイプの子どもだったので、痛いほどよくわかります。人の前に立っただけで、顔がカッカと熱くなりみるみる真っ赤になりますし、逆に頭の中は真っ白で、一言も発することができなくなる子どもでした。私の場合は、それについて克服する機会がありませんでしたから、残念なことにそのまま大人になり、幼稚園の先生という職業に就いてから、徐々に経験しながら慣れてきた感じです。もっと早く、子どもの頃に克服するチャンスがあったら、違った人生を歩んでいたかも知れません。
という訳で、こういうところが「小学校受験をすることのメリット」だなと、つくづく思います。幼児期に「必要なことを、通り過ぎずに経験できる」という機会に恵まれるということです。
さて、克服する方法ですが、
*日常的に近所の方やお友達のお母様に、自分からご挨拶をするようにさせる
*買い物時に、頻繁にお店の人に何かを尋ねに行かせる
*遠方のおじい様やおばあ様に電話を掛けさせる
*家族で発表会ごっこをする
等があります。
電話は、大きな声ではっきりと話さないと、相手の方が聞き取れませんので、思いの外、効果があります。
また、ご家族で緊張した場面を演出しての「発表会ごっこ」も、工夫次第では、恥ずかしさに打ち勝つ練習になり、ともすれば発表することが楽しくなりますので、やってみると良いです。
このように、意図的に声を出させる状況を多く作ることで、始めは小さな声だとしても、毎日やっているうちに慣れて、緊張感は確実に弱まります。昨日より、大きな声が出た!と思われた時には、必ず、すかさず大袈裟に褒めて下さい。
さて、ここまでは、ビギナー向け(ほとんど声が出せないタイプのお子様)のお話でした。
ここからは、ある程度、人前で話すことにも慣れ、とりあえずは、だんまりにならずに発表できる所までになったにも関わらず、「声が小さくなる」お子様についてのお話です。これには2つの原因があると考えられます。
長くなりましたので、この続きは次回にしますね。