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「大きな声では言えないけれど、声を大にして言いたい話」

2022/12/14(水)
 新年長のクラスが始まり、早1か月が経ちますね。
通い始めたお教室や、年長に進級したクラスにも慣れてきた頃と思われますが、そこで、ちょっと冷静にお子様の様子を観察してみましょう。

「お教室、楽しい~♫」と笑顔で通っているならば、全く問題はありません。お母様も、お子様が喜んで通ってくれれば、いろいろ気になることはありつつも「良かったわ」となりますしね。

中には、性格的に心配症のお子様や、月齢が低いお子様もいますので、その場合は、人見知りや場所見知り等で、環境に慣れるのに、少し時間が掛かるかも知れません。でも、お教室に入室する際に、泣いて嫌がったとしても、途中から笑顔が出てきて、帰りには「楽しかったぁ~」と気持ちが変化するなら大丈夫!もう少しの辛抱です。

要注意なのは、毎晩のように「明日はお教室に行く日?」と聞いてきたり、朝に「今日はどこに行くの?」と何度も聞いてくる場合です。笑顔どころか、表情がなくなり、極度に緊張していたり、びくびくおどおどして挙動不審になる・・・ような場合は、お教室と相性が合わず、ストレスになっている可能性があります。
また、お母様自身も「お教室に入ると息が詰まる」のような感覚に襲われていたら、ちょっと考えた方が良いかも知れません。

本来、幼児教室は「楽しく学ぶ」ところであるべき場所です。
それは、対象が(学習の初めの一歩を踏み出す)幼児だからです。
楽しくないと受け取れない幼児だからです。
難しいことや大変なことがあったとしても「少し頑張ったらできるようになった!」という達成感を、より多く経験させ、喜びを与えなければいけない時期の幼児だからです。

しかしながら、「小学校受験塾」=「厳しい指導」のように思われている方が多いように感じます。これは世間的なイメージであると思います。また実際に、そのようなやり方のお教室も、残念ながら存在しています。

これからお話しすることは、ここ数年、お母様方と面談をする中で、私が気付いたことです。私、個人の考えですが、あながち間違っていないと思いますので、シェアします。
「そういうこともあるんだなぁ~」と心の隅に置いて、時々冷静にご自分の気持ちを見直して頂けたら・・・と思います。

「お教室の先生が厳しくて怖い」という話をよく耳にします。子どもばかりか、親も一緒になって怖がっている場合も少なくありません。「先生、もう私あの塾を辞めたいんです」と相談されます。よそ様のお教室の事情は、全く存じませんので、相談されても困るのですが、「親子共々、そのお教室に行くことに恐怖を感じているのであれば、ご自分たちの為に決断しても良いのでは?」と助言します。

年々、そのような相談が多くなっています。
幼児教室が「教育の場ではなく、ビジネス目的」にされていることが考えられます。

しかしながら、私の疑問は、お教室の在り方よりも、お母様方の心理です。
面談の度に「辞めたい」と言うお母様ほど、そのお教室を「辞めない」のですよね。言葉と裏腹の行動を取り続けるのが不思議でなりませんでした。

ですが、その疑問、今年の春、卒業生のお母様のひと言で解明されました。「あぁ、そういうことか」と・・・・・。

「辞めたい、辞めたい」と言い続け、それでも辞めずに本番を迎えた方のお言葉です。
その方は、お子様が難関校の第一志望の学校に見事合格されました。後日、そのお母様がおっしゃられたのは、「あれだけ厳しい環境を乗り越えられる位でないと、合格できないんですね」でした。

んっ? いえいえ、違いますよ。
そんなに追い詰められて、精神的なダメージを受けなくても、ちゃんと合格している方は、たくさんいます(←私の心の声です)

 小学校受験のイメージって、中学受験や高校受験・大学受験のように、「必勝」の鉢巻をして、夏休みも冬休みもなく、ガツガツ勉強して、他の人に勝たなければならない!相手を蹴落とすんだ~!みたいに思われているのでしょうか?

その考えは、もちろん子どもではなく、大人(ご両親)の思い込みですよね。

 そのような厳しい環境で受験準備をしたお子様の心には、いくつもの見えない傷がついているのではないか?と心配になります。成長の過程や大人になってから、後遺症が出ないことを祈るばかりです。

そしてまた「小学校受験は、厳しく追い詰めてやらなければ合格しない!」のような情報が、合格者の声として、次の学年、また次の学年へと、まことしやかに伝えられて行ってしまうことに危機感を感じずにはいられません。声を大にして、そんなやり方は間違ってますよ!と、苦しんでいる皆さんに伝えたいです。

 とはいえ、高い費用を払って入会したばかりの塾を変えましょう!と言っている訳ではありません
どんな環境だとしても、お子様が楽しくなるように工夫したり、先生に叱られたとしても、その倍以上のフォローをして、お子様を守って欲しいのです。
お母様が「怖い」「嫌だ」「辞めたい」というネガティブな感情に流されないこと、「この試練を乗り越えなければ合格しない!」という思い込みをすぐに捨てること、をして下さい。
いつでもポジティブに、明るく楽しい雰囲気にしてあげることが、お母様の役目です。

それもできない位、どど~んときつい環境であるならば、その時はお教室を変えることを考えるべきですね。
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